ガルバリウム鋼板の外壁を修理する方法のひとつに、外壁を重ね張りする手法があります。
重ね張りはカバー工法とも呼ばれます。
そもそも重ね張りとは何か、費用相場や工期も知っておきたい方もいるでしょう。
重ね張りはその名の通り、既存の外壁の上から新しい外壁材を張ることです。
二重になるため付加価値がついたり、張り替えよりも費用を抑えられたりするメリットがあります。
本記事では、ガルバリウム鋼板の外壁重ね張りについて、概要や特徴などを解説します。
あわせて、良いところだけではなくデメリットな部分や費用と工期の目安も紹介しているので、参考にしてください。
重ね張りのことを理解し、納得したうえで外壁の補修工事を行いましょう。
目次
重ね張りとはどういうものなのでしょうか。
・ガルバリウム鋼板の特徴
・重ね張り(カバー工法)の特徴
ガルバリウム鋼板と重ね張り、それぞれの特徴を解説します。
ガルバリウム鋼板とは、鋼板に対して亜鉛やアルミなどの合金をメッキ加工した素材のことです。
軽くて丈夫だからこそ地震の影響を受けにくくなり、優れた耐震性が実現できます。
さらに、亜鉛の防食性とアルミの耐食性により、錆に強く外壁が長持ちします。
色やデザインも豊富のため、好みの外壁が叶うところも魅力の一つです。
重ね張りは、今ある外壁の上から新しい外壁材を張る工法です。
外壁材が二重になるため、断熱性や遮音性などの付加価値が得られます。
張り替え作業が不要なことから、費用がリーズナブルなところも重ね張りの良さです。
外壁材を重ねて張るため外壁材によっては建物が重たくなり、耐震性が下がるところはデメリットといえます。
ただしガルバリウム鋼板は他の建材と比較しても軽量なので、耐震性への影響はほぼありません。
ガルバリウム鋼板の外壁を重ね張りするときのメリットは下記のとおりです。
・張り替えと比較して費用が安い
・張り替えと比較して工期が短い
・防音、遮熱につながりやすい
重ね張りには費用の安さや工期の短さなど、いくつか良さがあるため詳しく解説します。
外壁の張り替えより、重ね張りの方が工事費用はリーズナブルです。
既存の外壁を取り除く作業が必要ないため、その分の費用を抑えられます。
費用目安は重ね張りだと約130〜220万円、張り替えなら約100〜360万円です。
外壁の解体と撤去、処分にかかる手間がかからず、安い費用でできるところが重ね張りのメリットといえます。
重ね張りは、張り替えよりも工期が短くすみます。
既存の外壁撤去作業が不要なため、その分の時間を省けるからです。
外壁の張り替えだと2週間〜1ヶ月かかる反面、重ね張りなら2〜3週間で完了します。
工事で発生する廃材も少なく済み、環境に優しいところも重ね張りの良さです。
外壁材が二重になることで、防音性や遮熱性が高くなります。
壁と壁の間に空気の層が作られ、水分を含む暖かい(冷たい)空気を遮断できるからです。
冷暖房の効きが良くなるため、電気代の節約につながります。
さらに、防音性も上がるため屋外の騒音が室内に伝わりにくくなるところもメリットです。
遮熱性が優れているとより静かで快適な生活を送れます。
メリットの多い重ね張りですが、デメリットもあります。
・結露が発生する可能性がある
・外壁材の内部劣化に対応できない
・今後の補修費用が高くなる恐れがある
それぞれ詳しく解説していきます。
重ね張りは結露が発生する恐れがあります。
外壁材を重ねて張るため、新旧の外壁材の間に気温差が生じるからです。
結露は木材の腐食につながります。
事前に重ね張りで問題ないか、外壁塗装業者への相談がおすすめです。
診断結果に応じて重ね張りか張り替えか、最適な方法を選択しましょう。
外壁材の内部が劣化している場合は、張り替えが必要です。
重ね張りは外壁材を重ねて張るだけなので、建物内部の劣化までは修繕できません。
建物内部の劣化は進行していくため、耐久性や耐震性が低下する恐れがあり危険です。
費用や工期の面だけを見て重ね張りを選ぶのではなく、建物診断から適切な工法を決定する必要があります。
重ね張りを実施したあとに修理する場合、費用が高くなる場合があります。
既に重ね張りをしている外壁の上から、再び重ね張りはできません。
そのため、次回の外壁修理は必然的に張り替えとなります。
二重になっている外壁の撤去は大がかりな作業になる分、費用も高額になるケースがほとんどです。
外壁に重ね張りを実施する場合、費用相場は約130〜220万円で張り替えなら約100〜360万円です。
工期の目安は、重ね張りだと2〜3週間、張り替えを行うと2週間〜1ヶ月かかります。
重ね張りだと古い外壁材の撤去作業が不要のため、張り替えより安く、短い工期で工事できるところが特徴的です。
外壁の重ね張りに関して、よくある質問を紹介します。
・外壁を重ね張りすると家に負担がかからない?
・外壁の重ね張りはどのような手順で実施される?
・重ね張りはDIYでもできる?
・外壁の重ね張りはどこに依頼できる?
初めて外壁修理をするときには、さまざまな不安があるはずです。
納得して重ね張りを実施できるように、不明点は解消しておくと安心して工事を進められます。
一般的に、重ねる外壁材は軽量な金属系サイディングや樹脂系のサイディングを使用します。
耐震性が低下する恐れはありますが、重くなりすぎるということはないため安心して施工をご相談ください。
外壁の重ね張りの大まかな手順は下記のとおりです。
・外壁の劣化状況をチェックする
・足場を設置する
・既存の外壁下端に土台水切り材を取り付ける
・外壁の表面に胴縁を取り付ける
・ガルバリウム鋼板を上張りする
・外壁材の隙間をコーキング材で充填する
・施工後の点検と必要に応じて修正を行う
重ね張りは美観を維持しながら、遮熱性や防音性アップまで期待できます。
DIYは不可能とはいえませんが、おすすめできません。
ある程度知識がないと何をそろえたら良いのか悩むだけではなく、実際に施工するときにはそれなりの技術が必要です。
そもそも重ね張りしても問題ないかどうかの判断を誤ると、外壁に不具合が生じます。
足場の設置や作業には危険が伴い、経験のない人がDIYしようとすると思わぬ事故を引き起こすことも考えられます。
仕上がりに不満があれば、結局業者を呼ぶことになるため、できるだけDIYは避けた方が無難です。
外壁や屋根の塗装業者への依頼がおすすめです。
実績や口コミ、施工事例などを調査して優良業者を見つける必要があります。
ガルバリウム鋼板の外壁修理で行われる重ね張りは、張り替えと比較すると費用がリーズナブルで、工期が短いところが魅力の一つです。
二重に重ね張りすると遮音性や遮熱性が上がり、より快適に生活できます。
一方、重ね張りした上からもう一度張ることはできないため、次回以降の修繕費用が高くなる可能性があります。
メリットが多い重ね張りですが、デメリットもよく理解したうえで最適な外壁補修を行いましょう。
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