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金属サイディングの外壁カバー工法の費用や工期、施工方法を解説

2023.06.05 Mon

「金属系サイディングの外壁カバー工法はどんな工事なの?」
「後悔したくないから、メリットやデメリットを知りたい」

このように思っている方もいるのではないでしょうか。

金属系サイディングの外壁カバー工法は、既存の外壁に新しい外壁材を張り付ける工事のことです。

外壁を張り替える場合と比較して、工事日数が短く費用が安いといった魅力があります。

しかし金属系サイディングの外壁カバー工法を検討している方の中には、どのような工事かよく分からず不安な方もいるのではないでしょうか。

本記事では金属サイディングの外壁カバー工法について紹介します。

費用相場や工事日数の目安、メリット・デメリット、施工の流れなどを解説しているので、ぜひご覧ください。

目次

外壁カバー工法とは


既存外壁の上に新しく外壁材を張り付け、外壁を二重にするのが外壁カバー工法です。

別名「重ね張り」とも呼ばれるものです。

長年住んでいる間に劣化してしまった建物の外壁を、台風などの風水害や害虫に強くしたり見た目を新しくできたりします。

カバー工法に使用される外壁材は、軽量な金属系サイディングが使用されるのが一般的です。

金属系サイディングの耐用年数は30年程度と長持ちします。

ただし金属系サイディングを長くきれいに保つには、定期的にメンテナンスが必要です。

なお外壁工事は「外壁カバー工法」以外に「外壁塗装」や「外壁張り替え」もあります。

金属系サイディングの外壁カバー工法にかかる費用相場


既存の外壁材へカバー工法を行う場合、どれくらい費用がかかるのか相場を見てみましょう。

金属系サイディングであるガルバリウム鋼板をカバー工法で施工する場合、費用は130〜220万円程度かかります。

他の外壁工事でかかる費用相場は下記の通りです。

・外壁塗装:60~120万円程度
・外壁張り替え:100~360万円程度

外壁カバー工法は外壁塗装よりは費用がかかりますが、外壁の撤去が不要な分、外壁張り替えと比べて安く施工できます。

費用相場はあくまで目安で、住宅の坪数や外壁材、施工会社などによってさらに費用がかかる場合があります。

金属系サイディングの外壁カバー工法にかかる工期


外壁カバー工法の工事日数は平均して2~3週間程度です。

住宅の規模によっても変動しますが、一般的な住宅ならば通常1ヶ月以内を目安として考えましょう。

外壁張り替えとは違って既存の外壁を撤去する必要がないため、その分工事日数は少なく済みます。

上記の工事日数はあくまで目安なため、施工する建物の坪数や周辺の環境、天候などによって前後します。

たとえば悪天候が長く続いたり、周辺道路が入り組んで資材の搬送に時間がかかったりした場合は、さらに日数が必要です。

外壁カバー工法と屋根のカバー工法などの屋根工事を一緒に行うケースもあります。

外壁工事と屋根工事を一緒に行う場合は、さらに日数が必要です。

金属系サイディングで外壁カバー工法を実施するメリット


金属系サイディングで外壁カバー工法を実施するメリットは下記の3つです。

・張り替えより工事費用が安い
・工事期間が比較的短い
・断熱性と防音性が上がる

特に「張り替えより工事費用が安い」「工事期間が比較的短い」の2点は、外壁カバー工法の大きな魅力ですので、ぜひ確認してください。

張り替えより工事費用が安い

金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)で実施する外壁カバー工法は、外壁張り替えと比べて工事費用が安いことが魅力です。

外壁カバー工法と外壁張り替えの費用相場を比較すると、下記のとおりになります。

・外壁カバー工法:130〜220万円程度
・外壁張り替え:100~360万円程度

外壁張り替えは、既存の外壁を取り壊して撤去が必要です。

撤去には作業員の人件費や廃材の処分が発生するため、その分費用がかかります。

外壁カバー工法はアスベスト含有の外壁を使用していても、アスベストの処理費用がかかりません。

2006年以前の住宅の外壁には、アスベストが含まれている可能性があり、張り替えの場合はアスベストの処理が必要です。

アスベストの処理は危険を伴うため、高額な費用が別途かかります。

外壁カバー工法であれば、既存の外壁にアスベストが含まれていても処理が不要で処理費用もかかりません。

工事期間が比較的短い

外壁カバー工法では既存の外壁の撤去・処分をする必要がないため、工事期間が比較的短くなります。

他の工事期間と比べると、結果は下記のとおりです。

・外壁塗装:7~10日
・外壁カバー工法:2〜3週間
・外壁張り替え:2週間~1ヶ月

カバー工法は外壁塗装より工期が長いのですが、張り替えと比べると短いケースがほとんどです。

外壁材を剥がさないため工事の音が比較的小さく、工事中に家の中で生活できるのも嬉しいポイントです。

断熱性と防音性が上がる

金属系サイディングで外壁カバー工法を実施することで、断熱性と防音性が向上します。

既存の外壁に新しい外壁を重ね張りするため、外壁材と外壁材の間に空気の層が作られるからです。

空気の層が熱の出入りを遮断したり、屋外からの騒音が伝わりにくくなったりするので、より快適に生活できます。

金属系サイディングで外壁カバー工法を実施するデメリット

金属系サイディングで外壁カバー工法を実施するデメリットは下記の3点です。

・外壁材内部の劣化は補修できない
・内部結露が発生する可能性がある
・施工後の修理が高額になりがち

デメリットを認識したうえで、外壁カバー工法を選ばないと後悔するかもしれません。

ぜひご確認ください。

外壁材内部の劣化は補修できない

外壁カバー工法は、既存の外壁に新しい外壁材を重ね張りする工事のため、外壁材内部の劣化は補修できません。

外壁材内部が劣化した状態で施工すると、劣化が進行して耐久性や耐震性が低下したり、最悪の場合は外壁材が崩れてきたりする可能性があります。

事前に外壁カバー工法を実施しても問題ないか、外壁材内部をプロに診断してもらうのがおすすめです。

プロに診断してもらった結果、外壁カバー工法を実施できない場合は、張り替え工事で外壁を新しくする必要があります。

内部結露が発生する可能性がある

外壁カバー工法は、新しい外壁材と既存の外壁材の間に「空気の通り道」を確保しておく必要があります。

空気の通り道を確保できていないと、外壁内外の気温差により、内部に結露が発生してしまうのです。

結露が発生すると、雨漏りや下地部分の腐食、シロアリの発生といったリスクがあり、建物の寿命を縮めてしまいかねません。

内部結露は空気の通り道を確保すれば予防できるため、外壁カバー工法の注意点を理解した信頼できる業者に依頼するのがおすすめです。

施工後の修理が高額になりがち

外壁カバー工法を実施すると、施工後の修理が高額になる傾向があります。

外壁カバー工法は、既存外壁材の上に新しい外壁材を設置する工法です。

一度外壁カバー工法を実施すると、次回の修理では外壁カバー工法を実施できません。

次回の修理は張り替えになりますが、外壁材が二重にあるため撤去の手間がかかるため高額になります。

金属系サイディングのメンテナンス時期

金属系サイディングのメンテナンスを行う周期は、使用する塗料や製品によって異なります。

一般的には、10〜15年がメンテナンスの目安時期です。

建物の環境によっても異なるため、10年が経過したら金属系サイディングの状態や劣化を定期的に確認しましょう。

メンテナンス時期が分からなくならないように、使用した塗料の耐用年数も確認しておくと安心です。

メンテナンスが必要な劣化状態

メンテナンス時期の目安はあるものの、劣化があればその時期を待たずにメンテナンスを行うことが必要です。

サイディングの状態をチェックする際に注意すべき劣化状態は以下の6つです。

・汚れ、コケ
・こすれ傷などの傷
・塗装の剥がれ
・部分的な亀裂(クラック)
・欠け、穴
・サビ

たとえば、汚れやコケは放置すると塗装が剥がれ、さらにサビの原因となる可能性があります。

サビは見た目が悪いだけではなく、進行すると金属でも穴が開いてしまうことがあります。

金属系サイディングに欠けや穴があると、塗装や補修で簡単に補修できません。

張り替えが必要になり工期が長くなり費用も高くなるため、発見したら早めに洗浄しましょう。

金属系サイディングのメンテナンス方法

金属系サイディングの具体的なメンテナンス方法は下記の4つです。

・洗浄
・塗装
・補修
・張り替え

日常的なメンテナンスは、簡単な洗浄で十分です。

洗浄は高圧洗浄機や手動の洗浄ブラシ、一般的な洗剤を使用して行います。

特に汚れの付着が激しい場合は、専用の洗浄剤やカビ取り剤を使うことで効果的に汚れを落とすことができます。

劣化が軽度の場合は、塗装をし直すことでメンテナンスができますが、劣化の症状によっては補修が必要です。

塗装や補修、張り替えは専門家に依頼する必要があります。

DIYで修理してしまうと、不具合の原因を修理しきれなかったり誤った修理によって新しい不具合が発生したりするからです。

適切なメンテナンスや施工が行われれば、外壁の美観や耐久性を維持できます。

金属系サイディングで外壁カバー工法を行う流れ


金属系サイディングで外壁カバー工法を行う流れを紹介します。

【工程1】事前調査

外壁カバー工法を実施するにあたり、最初に行うべき工程は事前調査です。

事前調査とは、外壁カバー工法を行う前に専門の技術者が建物の外壁を詳細に調査することです。

この調査では外壁の劣化や傷み、雨漏りの有無などを確認し、改修の必要性を判断します。

また周囲の住民や建物、環境などへの配慮も欠かせません。

劣化が進行している部分や傷みが著しい箇所は、補修や補強が必要です。

大きな異常がある場合は外壁カバー工法を実施できないことがあり、そのような場合は事前に適切な処置を行います。

事前調査は工事の円滑な進行やトラブル防止のために非常に重要であり、正確な調査結果をもとに、適切な対処法を計画することで工事の品質と安全性を確保します。

【工程2】足場の組み立て

足場の組み立ては、作業者が安全かつ効率的に作業できるスペースを確保するために行われます。

金属系サイディングで外壁カバー工法をする場合、高所作業用の足場を設置し作業エリアを確保する必要があります。

足場の確保は作業現場の安全性を確保するために、必要不可欠です。

外壁カバー工法の足場は建物全体にわたって設置され、作業者が外壁の上部にアクセスできるようにします。

屋根付近など高所の場合には安全と正確な作業のために、足場の設置は欠かせません。

【工程3】土台水切り材の取り付け

土台水切り材は、外壁の下端に取り付けられる防水材のことです。

新しい外壁材を張る前に、既存の外壁下端に土台水切り材を取り付けます。

これにより雨水や湿気の浸入を防ぎ、外壁を保護します。

土台水切り材の取り付けは正確で丁寧な作業が必要で正確な測定と適切なカッティングが欠かせません。

水切り材は外壁と地面の接合部に取り付けられ、水の浸入を防ぐ重要な役割を果たします。

【工程4】胴縁の取り付け

既存の外壁の表面に、新しいサイディングを取り付けるための胴縁を取り付けます。

胴縁は、新しい金属系サイディングをしっかりと固定するための基盤となる部材です。

既存の外壁に取り付けられ、新しい外壁材がしっかりと固定されます。

胴縁にサイディングを取り付けることで外壁の内部結露を防ぎつつ、適切な通気を確保します。

この作業では外壁の形状や素材に合わせて胴縁がカスタマイズされ、正確な測定と適切な取り付けが欠かせません。

【工程5】サイディング材の上張り

胴縁に新しい外壁材である金属系サイディングを取り付けます。

金属系サイディング材は耐久性や防水性が高く、外壁を効果的に保護する役割を果たします。

取り付ける際には専用の取り付け具や釘を使用して、サイディング材を確実に胴縁に固定することが重要です。

外壁のデザインや模様に応じて、サイディング材を配置する位置や方向を調整します。

特にツートンカラーなどの場合は、外壁の色彩と調和するように配慮します。

こうした配慮により、耐久性や防水性などの機能性はもちろん、外壁の美観や完成度を確保できるのです。

【工程6】コーキング

コーキングとは、外壁材の隙間や接合部にシーリング材を充填する作業のことです。

この工程により雨水や湿気の浸入を防ぎ、外壁の防水性と耐久性を高めることができます。

特に窓やドア周り、エアコンのホース周辺など、水の浸入が懸念される箇所には十分な注意が必要です。

コーキングが正確に行われていないと、隙間から雨水が浸入してしまい、外壁内部の劣化や不具合を引き起こす可能性があります。

そのため、コーキング作業は丁寧で正確な作業が欠かせません。

コーキングをきちんと行うことで、外壁の防水性と耐久性を確保し、建物を長期間安全に保つことができます。

【工程7】点検・完了

工事が完了した後、施工された外壁の点検が行われます。

この点検では、外壁の仕上がりや防水性、安全性などを細部まで確認し、問題点や改善すべき箇所がないかをチェックします。

点検の結果、不備があれば手直しや修正作業が必要です。

問題がなければ工事は完了し、足場を解体して現場を片付けます。

点検作業は、工事の品質を確保し、クライアントの満足度を高めるために欠かせません。

外壁カバー工法の最終工程である点検・完了作業は、安心して長期間利用できる建物を提供するために重要な工程です。

大まかな流れは以上です。

建物の状態や要望などによっては、さらに工程が追加される場合もあります。

金属系サイディングの外壁カバー工法でよくある質問

金属系サイディングの外壁カバー工法でよくある質問は下記の4つです。

・外壁カバー工法の施工日数で考慮すべき要因はありますか?
・外壁カバー工法を行う際に気を付けるべきポイントはありますか?
・外壁カバー工法の施工後、メンテナンスが必要ですか?
・金属系サイディングの外壁カバー工法で後悔しないために気を付けることはありますか?

1つずつ詳しく説明します。

外壁カバー工法の施工日数で考慮すべき要因はありますか?

外壁カバー工法の施工期間は、工事の規模や建物の状態によって異なりますが、一般的には2~3週間程度かかります。

施工期間を決定する上で考慮すべき要因は下記の通りです。

・天候
・建物の状態
・作業環境
・追加作業

特に外壁の劣化が進んでいる場合や施工中に予期せぬ問題が発生したときは、追加作業が必要です。

この場合、工期だけではなく追加の費用が必要になることがあります。

詳しい施工日程に関しては、施工業者との打ち合わせが重要です。

外壁カバー工法を行う際に気を付けるべきポイントはありますか?

外壁カバー工法を行う際には、以下のポイントに注意することが重要です。

・建物の状態の確認
・使用する外壁の選定
・依頼する施工業者
・施工後のメンテナンス

外壁のカバー工法は建物の外観を美しく保つだけでなく、耐久性や防水性を向上させる役割もあります。

定期的な点検やメンテナンスを行い、建物の長寿命化を図りましょう。

外壁カバー工法の施工後、メンテナンスが必要ですか?

外壁カバー工法の施工後、メンテナンスが必要です。

外壁カバー工法は建物の外壁を保護し、耐久性を向上させるための工法ですが、定期的なメンテナンスが行われなければ、効果が長続きしません。

メンテナンスの方法は以下のとおりです。

・定期的な外壁の点検
・汚れの定期的な洗浄
・コーキングの補修
・外壁材の塗装

これらのメンテナンスを定期的に行うことで、外壁の耐久性や美観を維持し、建物の寿命を延ばすことができます。

気になることがあれば、専門業者に相談しましょう。

金属系サイディングの外壁カバー工法で後悔しないために気を付けることはありますか?

品質の高い施工や対応をしてもらうためには、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。

業者選びのコツを紹介します。

・建設業許可があるか
・リフォームパートナー協議会へ加盟しているか
・地域密着型の営業か
・自社職人がいるか
・国家資格を取得している職人がいるか

ちなみにウチノ板金は建築板金技能士・施工管理技士を取得しています。

この5つを基準として業者選びをすると、信頼できる業者に依頼できる可能性がぐっと高まります。

リフォーム業者を選ぶ際の参考にしてください。

外壁リフォームなら金属系サイディングで外壁カバー工法を考えてみよう


金属系サイディングの外壁カバー工法について、費用相場や工事日数、メリット・デメリットなどを紹介しました。

金属系サイディングの外壁カバー工法は、外壁張り替えと比べて外壁の撤去がない分、張り替えよりも費用や工事日数がかかりません。

外壁材が二重になる分、断熱性と防音性が上がる効果も期待できます。

一方、外壁材内部の劣化を補修できないことや外壁内部の結露、施工後の修理が高額になりがちなのが注意点です。

金属系サイディングの外壁カバー工法のメリットやデメリットを把握した上で、自分に向いているのかご検討ください。

金属系サイディングの外壁カバー工法を実施する場合は、まず信頼できる業者へ相談してみましょう。

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この記事は「内野 友和」が
書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。
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