耐久性の高い金属系サイディングに塗装は必要なのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
メンテナンスフリーともいわれることがある金属系サイディングですが、定期的に塗装しないと錆が発生する可能性があります。
住宅の寿命低下につながるため、適切な時期に塗装は必要です。
本記事では、金属系サイディングの塗装について詳しく解説しています。
塗装の目安となる劣化症状や、費用と塗装手順も紹介しているため参考にしてください。
目次
耐久性に優れた金属系サイディングですが、定期的な塗装は必要です。
初期塗装は8〜15年を目安に劣化しはじめ、色褪せていきます。
金属系サイディングには主に、ガルバリウム鋼板とアルミサイディングの2種類があります。
どちらも錆に強く、メンテナンスの手間はほとんどかかりません。
しかし、塗装が剥がれて表面に傷が付くと錆が発生します。
放置して劣化が進むと、金属系サイディングの防水性が失われて雨水が浸入する恐れもあり危険です。
定期的な塗装は美観を維持するほか、住宅を長持ちさせるためにも大切です。
金属系サイディングに下記のような劣化症状がある場合は塗装を検討しましょう。
・チョーキング現象
・錆の発生
・塗膜の剥がれ
気になる症状を発見した場合は塗装時期を迎えている可能性があります。
塗装するかどうかを考える際の参考にしてください。
外壁を手で触ると白い粉がつく現象のことをチョーキングといいます。
紫外線や直射日光、風雨などの影響で顔料が外壁表面に発生して生じる現象です。
塗膜の成分が劣化しているサインで、放置すると色褪せの原因となりかねません。
塗料の耐久力が落ちているため、できるだけ早めに対処する必要があります。
適切なメンテナンスを実施しないと、金属系サイディングに赤や白の錆が発生します。
とくに、塗装が剥がれて表面に傷がつくと錆が発生する可能性が高くなります。
放っておくと錆は徐々に広がり、耐久性が落ちて住宅の寿命が縮むため危険です。
見た目も悪くなるため、錆が発生したら塗装を検討しましょう。
塗料と外壁の密着性が落ちてくると剥がれが生じます。
外壁は、紫外線や雨などの影響を受けることで劣化し、雨水が少しずつ内部へ入り込みやすくなります。
水分が入り込んだ外壁に日光が当たると、表面の塗膜が押し上げられて浮いてしまうのです。
浮いた塗膜は破れやすく、さらに雨水が浸入すると雨漏りの原因にもなります。
放置しても剥がれが進行するだけなので、早めの対処が大切です。
金属系サイディングの塗装費用は、新築とリフォームの場合で異なります。
アルミサイディング以外なら新築で約150〜300万円、リフォームで約200〜400万円です。
アルミサイディングは、既存の外壁の上から重ね張りするカバー工法で約120〜400万円、張り替える場合は約140〜400万円が目安です。
どのような工法で塗装するか、現場周辺の環境はどうか、といった要素によっても費用は変動します。
どのような方法で工事を行うか、費用はどれくらいになるか、業者と相談しながら最適な方法を考えてみましょう。
金属系サイディングに使われる主な塗料の種類を紹介します。
・シリコン
・フッ素
・無機塗料
それぞれの特徴を解説するため、塗料選びの参考にしてください。
シリコンとはシリコン樹脂を主原料とする塗料のことです。
近年ではスタンダードな塗料として選ばれています。
耐久性と耐候性に優れ、色のバリエーションが豊富です。
ウレタン塗料よりも汚れにくい性質ですが、塗膜の伸び縮みは少なめです。
フッ素はフッ素樹脂を主原料とする塗料で、汚れを寄せ付けない性質があります。
水や汚れを弾く効果があり汚れにくいところが最大のメリットです。
シリコン塗料よりも耐久性と耐候性に優れていますが、価格は比較的高めです。
無機塗料とは無機物を主成分とした塗料のことで、耐久性の高さが特徴的です。
表面が傷つきにくく汚れにくい性質があります。
湿気の多い地域では綺麗な外観を長く保てるというメリットがある一方で、柔軟性がなく割れやすいというデメリットがあります。
金属系サイディングの塗装手順は下記のとおりです。
・高圧洗浄
・ケレン
・下地調整や補修
・養生
・下塗り
・中塗り
・上塗り
高圧洗浄で汚れを落とした後は、金たわしで研磨する工程(ケレン)があります。
古い塗装や錆を取り除くために重要な作業です。
その後に浮いている釘の打ち込み、ヒビや傷をシーリング材で補修する下地調整と補修を実施します。
養生を実施したら、耐久性の効果を最大限発揮させるため3回にわけて塗装します。
下塗りでは錆止め効果のある塗料がおすすめです。
中塗り、上塗りと塗装を重ねていくことでムラなく均一な塗膜が完成します。
金属系サイディングの塗装を長期間維持するために実施すべき、主なメンテナンス方法を紹介します。
・自分で水洗いして汚れを落とす
・業者に点検を依頼する
詳細を見ていきましょう。
外壁は定期的に水洗いを行う必要があります。
汚れが蓄積されると色褪せや材質の劣化が促進してしまうからです。
風雨や紫外線など、毎日さまざまなダメージを受ける外壁は経年劣化が避けられません。
汚れは優しく洗い流し、強くこすったり圧力を加えすぎたりしないことが大切です。
個人で高圧洗浄機を使用するのは、外壁を傷つける恐れがあるため避けた方が無難です。
外壁の塗装時期は8〜15年が目安のため、この頃になったら業者へ点検を依頼しましょう。
正確な劣化状況が分かるので、塗装すべきか否かが詳しくわかるからです。
不具合の早期発見にもつながるため、比較的コストをかけず補修できる可能性があります。
外壁の見た目に異変がなく、不便もないからと点検を先延ばしにすると、見えないところで不具合が進行するケースもあり危険です。
とくに、大雨や暴風など自然災害のあとは外壁に不具合が発生していることもあります。
日常的に目視で確認できる範囲での点検を実施するのがおすすめです。
万が一、小さな傷でも発見したら業者に相談してみましょう。
表面に傷ができると、そこから錆が発生しやすくなります。
部分修理の費用は下記に記載しているため参考にしてください。
・ひび割れ(クラック):1~10万円
・コーキングの打ち替え:900〜1,200円/メートル
・コーキングの打ち増し:500~900円/メートル
・鉄部のサビ取り:200~2,200円/平方メートル
・穴、へこみ、欠け、傷など:1~6万円/箇所
軽微な補修であれば、それほど費用がかからない可能性もあります。
上記の金額はあくまで目安です。
正確な費用を把握するなら、業者に見積もりを依頼してください。
金属系サイディングの塗装に関して、よくある質問を紹介します。
・金属系サイディングはメンテナンスフリーではないのですか?
・金属系サイディングそのものは何年もちますか?
・金属系サイディングの塗装はDIYできますか?
不明点は塗装工事の前に解消しましょう。
金属系サイディングはメンテナンスフリーではありません。
外壁に傷がついたり接触したりすると錆の発生につながります。
耐久性に優れているため、頻繁なメンテナンスは不要です。
ただし金属系サイディングといえども少なからず劣化はするため、汚れは洗い流して定期的に点検を行う必要があります。
金属系サイディングの耐用年数は20〜40年です。
金属そのものは耐久性が高い素材です。
自分で塗装するのは失敗のリスクが高いため、おすすめできません。
現在では、ネットやメディアでさまざまなDIYの手順が紹介されています。
業者への依頼は費用がかかることからDIYで修理したいと考える人もいるでしょう。
しかし、ホームセンターで買ってきた物が適切でなかったりきれいに塗装できなかったりすると、見た目が悪いだけでなく塗料の効果(遮熱・断熱など)もうまく発揮できません。
結果的に業者へ修理を依頼することになってしまいます。
二度手間になるほか、DIY費用が無駄になるため自分での塗装は避けたほうが無難です。
金属系サイディングの塗装は美観の維持と住宅の寿命を延ばすために大切です。
劣化症状があれば早めに塗装を検討し、業者による点検を行う必要があります。
また、塗装時期は8〜15年ごろが目安です。
不具合を早期に発見するため、定期的なメンテナンスを業者に依頼するのがおすすめです。
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