「外壁に使用されるトタンについて詳しく知りたい」
「トタン外壁のリフォームはどのような方法がある?」
トタンは安価で軽量な外壁材であるため、昔から人気の建材です。
トタンといえば、工場の外壁や築年数の古い家の屋根などに使用されるイメージをもつ方もいるのではないでしょうか。
しかし近年は種類も増えデザイン性の高いトタン外壁材も存在しています。
本記事ではトタン外壁の施工方法や種類、費用、メリット・デメリットを網羅的に紹介しています。
トタン外壁について理解を深めたい方はぜひご一読ください。
目次
トタンとは、鋼板(鉄板)に溶融した亜鉛を付着させている板のことで、軽量で安価な建材です。
また外壁材として近年注目を集めているガルバリウム鋼板のことも「トタン」と呼ぶこともあります。
トタンとガルバリウム銅板はどちらも金属外壁材ではありますが、全くの別物です。
ガルバリウム鋼板は、鋼板に亜鉛やアルミなどの合金をメッキ加工した素材のことで、トタンよりもサビにくい特徴があります。
トタンは近年種類が増え、デザイン性が高いものもあります。
トタンの種類は一般的に以下の4つです。
・波トタン
・角波トタン
・スパンドレールトタン
・リブ波トタン
各種類の特徴は以下の通りです。
・波トタン:波のような形状のトタンのこと。安価だが横からの圧力に弱い
・角波トタン:波トタンの波の部分を角にしたトタン。耐久性に優れるが波と端よりやや価格が高くなる
・スパンドレールトタン:固定する釘やビスが見えない特殊な形状のトタン
・リブ波トタン:細長く両側が盛り上がっているトタン
トタンといっても種類によって見た目や耐久性、価格が異なります。
現在の金属外壁材の主流は、トタンではなくガルバリウム鋼板です。
これから外壁リフォームを行う場合は、外壁材の特徴や費用、メンテナンスコストなどを考慮し決定するとよいでしょう。
外壁リフォームを行う前は、外壁材の特徴をしっかりと確認しておくとよいでしょう。
トタン(ガルバリウム鋼板)外壁のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
・耐久性が高い
・ヒビや割れが発生しない
・軽量で耐震性が高い
・サビにくい
デメリット
・コストが高い
・衝撃に弱い
・沿岸地域は潮風でサビが発生することがある
ガルバリウム鋼板はメリットの多い金属外壁材ですが、デメリットはコストが高い傾向にあることです。
しかし窯業系サイディングに比べ耐用年数が長いので、長い目で見るとコストパフォーマンスは悪くないでしょう。
またガルバリウム鋼板はサビにくい性質であるものの、サビないわけではありません。
沿岸地域など地域によってはサビが発生します。
塩害によるサビは、定期的に壁を水で洗い流すなどメンテナンスを行うことで防げます。
外壁リフォームは、既存外壁や外壁内部の状況によって適切な方法で行う必要があります。
外壁リフォームの工法は以下の4つです。
・張り替え
・カバー工法
・塗り替え
・部分修理
外壁リフォームの適切な工法は、素人が目視で判断できるものではありません。
外壁リフォームを行う場合は必ず業者に現地調査を依頼し、適切な工法を判断してもらいましょう。
張り替えとは、既存の外壁材を撤去し、新たな外壁材を張り付ける工法です。
外壁リフォームのなかでも、張り替えは費用が高額になる傾向にあります。
しかし外壁リフォームで唯一外壁の内部も修理できるため、外壁の不具合を根本から改善できます。
張り替えは、外壁リフォームでもっとも家の寿命を延ばせるリフォームといえるでしょう。
カバー工法とは、既存の外壁材の上に新たな外壁材を張り付ける工法です。
既存の外壁材を撤去する必要がないため、張り替えよりも工期が短くコストを抑えられます。
外壁が1枚増えることにより、防音性や断熱性の向上も期待できます。
しかし劣化の状況によりカバー工法が適さない場合は、張り替えを行わなくてはいけません。
カバー工法でリフォームできるかどうかは、業者と相談しましょう。
塗り替えとは、既存外壁に塗装を行うリフォームです。
塗り替えは張り替えやカバー工法よりも費用が安価で、新築のような外観を取り戻せます。
現在の外壁の色と違う色にしたりツートンカラーにしたりすることで、家の印象をガラッと変えることが可能です。
塗り替えは見た目をよくするだけではなく、防水性も回復します。
定期的に塗り替えリフォームを実施することで、外壁の寿命を延ばせるでしょう。
全体的にはまだまだきれいな外壁でも、部分的にひび割れやへこみなどがある場合は、部分修理が必要です。
特にトタンなど金属外壁材は小さな傷などからサビが発生し、大規模なリフォームが必要となる場合があります。
部分的な不具合を見つけたら部分修理を依頼しましょう。
主な部分修理の方法は以下の通りです。
・ひび割れ(クラック)
・コーキングの打ち替え
・コーキングの打ち増し
・鉄部のサビ取り
・穴、へこみ、欠け、傷など
コーキングとは、外壁の隙間を埋めて水の侵入を防ぐ役割をもつ素材です。
コーキングの寿命は一般的に5〜10年であり、外壁よりも早く劣化してしまうため、部分修理が必要となることが多いです。
部分修理は不具合が発生している箇所だけをポンポイントで修理できるため、他の工法よりも安価にリフォームができます。
外壁リフォームの費用は、使用する素材や工法、周辺環境などによって価格は大きく異なります。
金属サイディングの主流であるガルバリウム鋼板へリフォームを行う際の、費用相場は以下の通りです。
・新築住宅の場合は150~300万円程度
・リフォームの場合は200~400万円程度
リフォームの工法別費用相場は、以下の通りです。
・張り替え:100~360万円程度
・カバー工法:130~220万円程度
・塗り替え:60~120万円程度
部分修理の費用相場は、以下の通りです。
・ひび割れ(クラック):1~10万円
・コーキングの打ち替え:900〜1,200円/メートル
・コーキングの打ち増し:500~900円/メートル
・鉄部のサビ取り:200~2,200円/平方メートル
・穴、へこみ、欠け、傷など:1~6万円/箇所
ここで紹介している費用はあくまでも相場であり、詳しい費用を知りたい場合は、業者へ見積もりを依頼する必要があります。
トタン外壁のリフォームを行う際のポイントは以下の6つです。
・建築板金業者に相談する
・DIYでリフォームはおすすめできない
・屋根リフォームと同時に施工すると少しお得
・火災保険を当てにした修理は要注意
・悪徳業者を避ける
・信頼できる業者を選ぶ
ポイントをおさえて業者に外壁リフォームを依頼しましょう。
外壁リフォームでトタンを含む金属外壁材をリフォームする場合は、建築板金業者へ相談するのがおすすめです。
建築板金業者以外にも工務店やハウスメーカーなどへリフォームを依頼できます。
しかし建築板金業者以外に依頼した場合は、自社職人がおらず仲介手数料が発生する可能性が高いです。
建築板金業者であれば、金属外壁材を扱う専門家であるため、仲介手数料がかからないうえに丁寧な施工が期待できます。
外壁のリフォームはDIYではなく専門業者へ依頼しましょう。
DIYは細部を自分好みに仕上げることができて修理費用を抑えられるなど、多くの魅力があります。
しかし外壁リフォームは、専門的な知識や技術力が必要です。
外壁リフォームをDIYで行うと、不具合が改善しなかったりトラブルが悪化したりする恐れがあります。
外壁リフォームは高所で作業を行う場合もあるため、落下によるケガのリスクもあり危険です。
DIYは手間とお金の無駄になる可能性があるため、プロ(建築板金業者)へ相談するのがおすすめです。
外壁リフォームの費用をできるだけ抑えたい場合は、屋根リフォームを同時に行えないか考えてみましょう。
外壁リフォームと屋根リフォームは、どちらも施工費用の他に足場費用が発生する場合があります。
足場費用の相場は10〜30万円程度です。
外壁と屋根のリフォームを別々に行うと足場費用は2回分必要となり、足場費用だけで20〜60万円かかります。
しかしリフォームを同時に行うと足場費用は1回分で済むため、10〜30万円の節約になります。
近々屋根のリフォームや点検を実施しようとしている場合は、屋根のメンテナンスも同時に行うのがおすすめです。
外壁リフォーム業者のなかには、最初から火災保険を当てに修理を提案する、いわゆる悪徳業者が存在します。
火災保険で外壁をリフォームできるのは、台風や大雪など自然災害で破損したと認められた場合のみです。
経年劣化による外壁の不具合は補償の対象外となります。
火災保険が適用となるかどうかは、リフォームを行う業者ではなく保険会社が判断するものです。
そのため「火災保険で修理できますよ」と勧誘してくる業者は、悪徳業者の可能性があるため注意しなくてはいけません。
外壁リフォームの業者選びでは悪徳業者を避ける必要があります。
悪徳業者に依頼してしまうと、施工不良や高額請求などといったトラブルが発生する可能性が高いです。
悪徳業者かどうかを見分けるのは非常に難しいですが、3社程度の相見積もりを取ることで、トラブルを回避できるでしょう。
なお4社以上の見積もりは、かえって選びにくくなる可能性があるためおすすめできません。
納得のいく外壁リフォームを行うためには、信頼できる業者を選ぶことがもっとも重要です。
信頼できる業者選びのポイントは以下の5つが挙げられます。
1:建設業許可をもっているか
2:リフォームパートナー協議会に加盟をしているか
3:地域で長く営業をしているか
4:自社職人がいるか
5:国家資格を取得しているか
外壁リフォームは建築業許可や国家資格がなくても請け負える場合があります。
しかし建築業許可や国家資格などを得ていることは、健全な営業を行い適切な施工知識や技術を有した職人がいる証といえます。
外壁リフォームの業者選びで悩んだ場合は、上記5つの条件に当てはまる業者を選ぶのがおすすめです。
今回はトタン外壁の施工方法や種類、費用、メリット・デメリットを解説しました。
トタン外壁は軽量で安価な外壁材であるため、新築時やリフォーム時におすすめの外壁材でした。
しかし現在主流のガルバリウム鋼板に比べて性能が劣るため、現在不具合を抱えている方もいるのではないでしょうか。
トタン外壁のトラブルは、できるだけ早く建築板金業者へ相談するのがおすすめです。
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